近藤誠先生のセカンドオピニオン外来に行きました。

もうずいぶん前から読んでいた本に、一連の近藤誠先生の著作があります。

慶応義塾病院の放射線科を退官されてから、セカンドオピニオン外来を開設し、ずっと現代のがん治療に立ち向かっておられる方です。

彼の主張の柱は、がん=手術ではなく、がんは放置しても進行しないものがほとんどであり、がんによる死は、治療死が多数を占めるということです。

進行性のがんでも放置しておくことにより、人によっては何年も元気で普通の生活が送れるそうです。一番肝心なのは、抗がん剤や、さまざまな治療によって、生活の質が低下し、「クオリティ・オブ・ライフ」が奪われることであるということです。

また、進行しないがんをも、大切な臓器ごと切り取ってしまうことによって、死に追いやる現代医学へ反論しておられます。

わたくしは、先生の本を読んでから、病気というものに対する考え方がとても楽になり、2年ほど前に投薬された薬の副作用で約一年近くも苦しんだ経験もあり、すっかり病気=放置、民間療法だけ励むというスタイルになっています。

そんな折、88歳の義母が肺がんと宣告され、大学病院では次々と検査が始まり、手術への段取りができてまいりました。

手術への不安から色々な本を探していた義母が近藤先生の本を偶然見つけ読んだとのこと、手術はしたくないのだけれど・・・と、家に電話がありました。

そして、近藤先生のセカンドオピニオン外来へと行くことになりました。日付は変わりましたので、昨日のことです。先生は詳しく母の話を聞いた後、病気の説明を紙にかいて母にわかるように教えてくださいました。問題のがんはもちろん放置。また、現在飲んでいるほかの病気治療のための薬もチェックして、全部飲まなくていいということでした。

人それぞれ様々な考え方があるとは思いますが、ともかくも病院任せの治療は終わり、自分の命を自らが考えて生きる方法を選び取っていく時代になってきたのを感じます。

ちなみに、一冊のみご紹介しておきます。

近藤誠著「近藤先生、「がんは放置」で本当にいいんですか?(光文社新書)」